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あとがきには書けなかった裏話


    1.最初のタイトルは『○○の成功者』でした。
2.二代目は競馬の本?!
3.犬飼ターボと主人公卓也の人生とどれくらい同じか
4.二つの試練には元ネタがあった!?
5.作者が泣いた本当の理由とは?

 

1. 最初のタイトルは『○○の成功者』でした。

最初は『CHANCE』というタイトルではありませんでした。
『○○の成功者』だったんですね。

この作品、書きあげてもずっとタイトル未定だったんです。
で、僕は考えました。

物語の根底に「人はみんな成功者に生まれている」
というメッセージが流れています。
さらに、成功の方法を教えてもらった卓也くんが、
「あ、もうひとりでも成功できるんじゃん!」
と忘れていた能力に気づきます。
そして、弓池さんのココロザシは弟子の卓也くんに伝わっていく・・・。

ということは・・・・『○○の成功者』がぴったりじゃん。
僕が最初に付けていたタイトル、さて○○には何が入るでしょう?

答えは
『忘却の成功者』
・・・うーん難い感じ。
『CHANCE』で慣れているみなさんには違和感バリバリですね。

でも、ほんと、ずっと『忘却の成功者』だったんですよ。
2003年の年末から2005年の5月まで。
一応『忘却の成功者(仮)』って小さく仮がついていましたが、
不思議なものでその名前で呼んでいると何の違和感もなくなるものです。

子犬をチビって呼んでいたら、大きくなってもそのまま「チビ」
になっちゃったみたいな感じでしょうか。

しかし、この初代もタイトルを防衛できずに挑戦者に敗れる日が来ます。

 


2. 二代目は競馬の本?!

『忘却の成功者(仮)』でもカッコはいいんですが、
やっぱりどこかキャッチーじゃない。
それでタイトルをどうしようかと担当者とずっと考えていました。

で、僕が頭をフル回転させて考えたのが『○○○の成功者』でした。(前回よりも一文字増えています)

弓池さんがフェラーリに乗っていたから“それ”にしたんですが、
フェラーリのことを別名でそう呼ぶことは車好きには
「インターネットの日記」を「ブログ」と呼ぶ
みたいに当たり前なことなんです。

でも、一般の方にはまったく知られていなんですね。
そういえば、僕は最初「ブログ」って聞いてカエルを連想しましたっけ。

原稿を書店のバイヤーさんたちに読んでもらってアンケートをとったんですけど、
「競馬の本と思いました」という意見が多かったんです。
いや、驚きました。
自分の常識は相手の非常識とはよく言ったものです。

あ、答えは


『跳ね馬の成功者』

でした。フェラーリのエンブレムって馬が跳ね上がっていますね。あれです。
この話は「3月19日のハピサク日記」に書いてます。

そして、みなさんもご存知のように現在のタイトル保持者は『CHANCE』です。

このタイトルは飛鳥新社の畑北斗くんが考えてくれたのでした。
5月6日のハピサク日記」にそのときの話が出ています。

『忘却の成功者』→『跳ね馬の成功者』→『CHANCE』
やっぱ『CHANCE』が一番いいですね。

現チャンピオンの『CHANCE』のタイトルの座を奪う挑戦者は出てくるのでしょうか?
(出ないってと自分でつっこむ)

 

 

3.犬飼ターボと主人公卓也の人生とどれくらい同じか

これは、たくさんの人に聞かれた質問です。

卓也くんが弓池さんと出会うまでは、ほとんど僕の人生と同じです。
父親がリストラにあったり、恋人と別れたり、中古車のビジネスでお客さんとトラブったり・・・。
あのころは復讐心で成功しようと思ってましたね。
『金持ちになって世の中を見返してやる』って。

本当に貧乏で、愛犬の予防接種のお金もなかったんです。
あ、ディアは本当にうちで飼っている犬です。

愛犬ディア君

書きながら当時のことを思い出してしまって、気分が落ち込みました。
起業してから数年間は辛かったなあ。


卓也が起業してからは、僕自身の話はベースになっていません。

湯沢さんのモデルになった方から教えてもらい、僕が投資した整体院があります。
その店で起こった出来事がメインです。
その整体院の経営者は物語を読んで、まさに自分のことなので泣いたそうです。
彼は本当に苦労して黒字にしたんです。

というわけで、ほとんど実話です。

弓池さんみたいなメンターがいたわけじゃなくて、フェラーリをもらったことはありませんけどね。

誰かフェラーリくれないかな。

 


4.二つの試練には元ネタがあった!?

小説の中で卓也くんが弓池さんに言い渡される二つの試練があります。

「10人の経営者に会ってきなさい」
「路上生活者と24時間過ごしてきなさい」

これは、あるところで実際に行っていた課題なんです。

今から数年前、僕は起業家をトレーニングする団体を運営していました。
そこに入会するには二つの課題があり、それをモデルにしたんです。

3人の経営者と路上生活者に会って話をしてくること。
これができて入会の資格が得られるというルールでした。

なんでこんなことをしたのかというと、
経営者になろうとする人が、経営者にアポイントを取って会うくらいの行動力とコミュニケーション能力は必要だし、成功者に会ったら、逆にそうでない人にも会ってみよう。
というわけです。

面白いのは、課題を出すときにその意味は教えないのです。
みんな意味をいろいろと考えながら課題をこなすんです。
中には、不満を言う人もいます。
「経営者の知り合いがいない」とくじけてしまう人もいます。

それでも終わってから「何か学びましたか?」と尋ねると、みなさんとってもすばらしいことを学んでいるんです。
卓也の言葉「成功者とそうでない人の差はちょっとしかない」はそんなある一人のメンバーが語ってくれた言葉をそのまま使いました。

みなさんもやってみてはいかがでしょう?
人生が変わるチャンスになるかもしれないですよ。



5. 作者が泣いた本当の理由とは?

あとがきで「ストーリーを考えて、自分で感動して泣いてしまったんです」
とありますが、正確には『CHANCE』のストーリーを考えて泣いたわけじゃないんです。

泣いたのは、このシリーズの中の第1部の「弓池の話」を考えていたからなんです。

実は、『CHANCE』は3部作の中の2番目として考えました。
1番目は弓池の話
2番目は卓也がとりあえず成功する話
3番目は卓也が本当の成功を手に入れる話

おーって感じでしょ?
でも、言っておきますが、これは僕の頭の中で考えただけです。
全部を書くと決めたわけじゃないし、書こうと思って途中でやめるかもしれない。
だから、本のあとがきでおおっぴらに書いてしまうとね、問題じゃないですか。
「早く続編を!」って期待されるのも辛いし。

全体としては、ハピサクのあの図を重ならないように扇状に位置させていく構想です。

1番目は弓池の話 →ハッピーに関する話
2番目は卓也がとりあえず成功する話 →サクセスに関する話
3番目は卓也が本当の成功を手に入れる話 →ハッピー&サクセスに関する話



こんな位置関係になっているんですね。

弓池というのは超頭がよくて、あっという間に成功してしまいます。
でも、悲惨な幼児体験が原因でなかなか幸せになれない。というか、とても苦しい人生です。
それは彼の魂がとっても難しい課題に挑戦しているからなんです。
そして、その課題を終え、この物質世界から旅立って行きます。
とこんな感じのスピリチュアルな話になる予定です。

弓池がどんな目的で生まれてきたのか、何を学んで死んでいくのか。
これを考えたときに涙が出たんです。

僕自身が弓池の魂の目的について語れるくらい成長して、
さらに小説家としての力量が上がったら、書くかもしれません。
だからもし会っても決して「続編、期待していますっ!」と言わないでください。
僕、書けなくなりますから。

 

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